小野寺正(17)まんじゅうの皮
東京譲り関西を主力地域に 電力と共同出資 携帯会社設立
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携帯電話市場への参入準備は順調に進んだが、最後の局面でやっかいな問題が浮上した。電波行政を所管する郵政省(現総務省)は携帯電話の免許を関東、関西などの地域割りで発行し、各地域に1社の新規参入しか認めない方針だった。その1枠に2陣営が名乗りを上げた。第二電電(DDI)と、トヨタ自動車と同社が大株主である日本高速通信(TWJ)連合だ。トヨタは本業の隣接分野である自動車電話市場を虎視眈々(こしたんたん)と狙っていた...
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KDDI相談役の小野寺正さんは東北大学工学部出身のエンジニアで、30代半ばまでは日本電信電話公社(現NTT)でキャリアを重ねました。1980年代半ばに京セラ創業者の稲盛和夫さんに誘われて、第二電電(現KDDI)の旗揚げに参画し、大きく人生が変わりました。通信市場の巨人であるNTTに対抗しようと、90年代後半に通信業界の再編は一気に動き出します。