熱気球の魅力「聖地」で発信 佐賀バルーンミュージアム(佐賀市)
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日経MJ
佐賀
2020/9/28付
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NIKKEI MJ

澄んだ空に色とりどりの熱気球が舞う光景は美しい。佐賀市は毎年秋にアジア最大級の競技大会を行い、国内外から80万人を超える観客を集めてきた。このバルーンの"聖地"で熱気球をいつでも楽しめるようつくられたのが「佐賀バルーンミュージアム」だ。最新技術を駆使した映像やゲームを並べ、様々な工夫で魅力を伝えている。

年間約4万人が訪れる

年間約4万人が訪れる

佐賀市はバルーンを飛ばすのに理想的な土地だ。風は穏やかで、離着陸のスペースを十分に確保できる広大な平野もある。1980年に第1回大会を実施して以降、順調に規模を拡大させてきた。89年に日本初の世界選手権を開催。2016年には国内外から熱気球186機が参加、観客動員は131万人といずれも過去最多を記録した。

ただバルーンは気流が安定する秋など限られた季節にだけ飛ぶ。1年を通して親しめる施設を作ろうと、同市が16年にアジア初の熱気球専門のミュージアムを開設した。

最新技術を駆使したシアタールームが、来館者を最初に迎える。超高精細の「8K」映像に対応した280インチの曲面大型スクリーン、25台のスピーカーによる本格的な音響システムを設置。世界選手権の映像などを、まるで現地にいるような臨場感で視聴できる。

続いて熱気球の仕組みや歴史を学べる展示空間が広がる。テキストや写真のパネルによる紹介のほか、ここでも技術を惜しみなく使った体感型の機材が随所にある。

バルーンの操縦を疑似体験できるフライトシミュレーターが特に人気で、週末には順番待ちの行列ができる。熱気球は球皮と呼ばれる上部の袋の中の空気をバーナーで熱し、上下に動かす。そして高度によって刻々と変わる風向きを把握し、左右に移動する。シミュレーターはスクリーンに投影した実際のバルーンからの映像を見ながらゴールに進むゲームで、操作をリアルに再現した。

家族で訪れ、ゲームに挑んだ佐賀市の30代の男性会社員は「熱気球が飛ぶ光景をずっと見てきたが、動かすのがこれほど難しいと思わなかった。映像も楽しめたし、また来たい」と話した。

このほかバルーンに関するクイズにタッチパネルで回答する機材など、子どもが楽しめる設備もそろう。ミュージアムの担当者は「子どもに関心を持ってもらい、次世代のバルーンのサポーターを育てたい」と強調する。クイズラリーのイベントを開くなど若い世代のファン拡大に力を入れてきた。新型コロナウイルスの影響で海外の観光客は減ったが、代わりに家族や修学旅行生が増え、手応えを感じている。

コロナで20年のバルーン大会は初めて中止に。風物詩を見られないさみしさをミュージアムの活気が埋めてくれそうだ。

(佐賀支局長 諸岡良宣)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年9月28日付]

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