寺田千代乃(9)引っ越し業へ
雨で荷物覆う光景に着想 ニーズ発見、別会社を設立
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今のトラックには荷台がアルミ製の箱型の車が多い。しかし、数十年前は荷台がフラットな平(ひら)ボディーと呼ばれるトラックが主流だった。アルミの荷台は高価で積載量も増やせない。ニーズがあったのは風雨から保護する必要のある荷物であり、当時もパンの輸送などには使われていた。
精密機器輸送のために配置したオムロン専用のアルミ箱車の台数は増えていた。オイルショックで全体の仕事が減る中、この箱車を活用できないかと考えた...
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アートコーポレーション名誉会長の寺田千代乃さんは、引っ越しを専業とする日本初の会社「アート引越センター」を大阪で立ち上げた女性経営者です。荷造りご無用や輸送中の家財殺虫など、「あったらいいな」というサービスを次々に打ち出し、日本の引っ越し業をけん引しました。小さくても一流を目指した寺田さんが、波乱に満ちた半生を振り返ります。
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