天気・災害アプリ、必携の時代に 緊急情報を個別に最適配信
読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長・日影耕造氏

日経MJ
2020/9/9付
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NIKKEI MJ

連日の猛暑やゲリラ豪雨、相次ぐ大型台風の接近など、異常気象とも言えるような状況が多発するなか、スマートフォンの天気・災害情報アプリの存在感が急速に高まっている。

フラー(千葉県柏市)が手掛けているアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」によると、天気や災害情報発信をしている天気カテゴリー上位10アプリの2020年7月の月間利用者数(MAU、iOS・アンドロイド合算)の合計は、2226万人。前年同月に比べ11.1%増加した。このうち、上位3アプリのシェアは8割を超えている。

最も利用者数が多いのはヤフーの天気予報アプリ「Yahoo!天気」だ。ゲリラ豪雨などで刻々と変化するピンポイントの天気情報に強みを持っている。ユーザーがいる場所の降水量や落雷予測などを、5~10分おきの地図アニメーションでわかりやすく表示する。従来のピンポイント天気予報の「超パーソナライズド版」と言える。

次いで多いのは、同じくヤフーの災害情報配信アプリ「防災速報」だ。最大の強みは、自治体が発信する防災情報をよりきめ細かく配信している点にある。

ヤフーは全国1120の自治体と災害協定を結び、ユーザーのスマホの位置情報などをもとに、自治体からの避難指示などの緊急情報を防災速報アプリからプッシュ通知で配信する。

地域の防災無線は災害時に電気などのインフラが不通になった際に役立つが、特に暴風雨などの過酷な状況では聞き取りづらいなどの課題もある。テレビの緊急速報は、多くの視聴者を対象とした大まかな地域単位での情報発信となる。

アプリであればネットが使える限り、個別地域の災害情報を必要としている個人に直接届けられる。災害への事前準備や迅速な避難の判断などにつなげることができる。

3番目に多いウェザーニューズの天気情報アプリ「ウェザーニュース」は、他の天気アプリと明らかに趣が異なっている。

まず、位置情報に基づき5分ごとに更新するピンポイントの天気情報を配信している。それに加え、流星群など天体イベントの星の見え具合や花火大会の開催の可否、紅葉の色づき具合など天気・気象に大きく左右される事柄について情報をまとめて配信しているのだ。独自の着眼点で天気を軸とした情報を提供している。

いずれのアプリも、キーとなっているのは「個人に最適化された情報」だ。スマホの位置情報などをもとにユーザーが居住している地域の「ピンポイント情報」をいち早く個別に配信することで、生命を守ることはもちろん、ユーザーに価値のある情報を届けている。

天気・防災アプリの進化は、幅広い年代層にアプリが浸透した結果だ。スマホを通じた情報のライフラインになっている。これだけ天災が続くようだと、食料品や水など物の備蓄だけでなく、「情報の備蓄」として天気・防災アプリをぜひともインストールしてもらいたいと切に願っている。

[日経MJ2020年9月9日付]

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