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夢の先進技術、リモートでも 三菱みなとみらい技術館(横浜市)

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

高層ビルや観光施設がひしめく横浜市のみなとみらい地区は、1980年代に埋め立て再開発事業が着工するまで三菱重工業の横浜造船所があった。同社はゆかりあるこの地に「三菱みなとみらい技術館」を構え、夢が膨らむような先進技術を紹介している。

体験型で子どもでも感覚的に先進技術を学べる展示もある

見どころは「海」「宇宙」「空」「陸」のテーマに分かれる4つの展示ゾーンだ。世界の98%の海底調査を可能にしたとされる深海潜水調査船「しんかい6500」の実物大の分解展示が見られるのが海ゾーンだ。

地震が多い日本にとって海底プレートの調査は最重要課題で、同船はそのために同社の神戸造船所でつくられた。乗組員が乗り込む「耐圧殻」と呼ぶコックピットを見ると、未知の深海を手探りで調査する光景が目に浮かぶ。

同館の担当者は「子どもたちに理科や科学に興味をもってもらうきっかけになれば」と話す。他のゾーンには、灼熱(しゃくねつ)で約30分しかもたない宇宙ロケットの巨大なエンジンや小型ジェット旅客機の中を再現したエリアなどの展示もある。技術や歴史を子どもでも分かりやすいような表現で解説している。

「ロケットできた!」。子どもたちのにぎやかな声がする方にさらに進むと見えてくるエリアが「トゥモロースクリーン」だ。定位置に立って指定のポーズをするとセンサーが感知し、成功するとロケットや船などの乗り物がアニメーションの街のなかに生まれる。体験型で子どもでも感覚的に先進技術を学べる。

3歳の男児を連れた30代の母親は「人々がどんなものを作っているのか、どんな仕事があるのか、なかなか言葉で子どもに伝えるのは難しいが、ここで感じ取ってほしい」と話す。

同館では新型コロナウイルスの感染拡大によって深海調査船や航空機の模擬操縦ゲームなど感染リスクがあるコーナーの利用を中止している。代わりに7月から新規に始めたのが、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って自宅からオンラインで楽しめるワークショップやサイエンスショーだ。

これまでに惑星の特長を学ぶペーパークラフトの工作教室や、腕の曲げ伸ばしを繰り返すと一時的に腕の長さが変わる実験などを実施した。9月には、10月6日に火星が約2年ぶりに地球に接近するのを前に、火星の特長を学ぶワークショップを実施する予定だ。「コロナでなかなか来館しにくい人にも楽しんでもらいたい」(担当者)

出口近くにある土産屋には宇宙食や自由研究キットなどが販売されている。「これなら買ってあげてもいいか」。科学のとりこになった後には、こんな気持ちになっている。

(横浜支局 宮川克也)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年9月7日付]

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