地獄の教え(3) 奈良国立博物館「地獄草紙」屎糞所
京都市立芸術大学客員研究員 加須屋誠

美の十選
2020/8/4付
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日本経済新聞 朝刊
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ここは屎糞所(しふんじょ)。昔、人間であったとき、心愚かにして、汚い物をきれいと思い、きれいな物を汚いと感じ、清らかな仏教の教えを信じなかった者が、ここに堕(お)ちる。そのように「起世経」に説かれている。

黄色く塗られているのは糞尿(ふんにょう)のたまり場である。ここに堕ちた罪人は首まで糞尿に漬かり、その汚さや臭さに悶(もだ)え苦しむ。糞尿の中には「針口(しんく)」と呼ばれる虫が住む。この虫が罪…

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