地元の醤油もアイスに 魚河岸テラス(岩手県釜石市)
おもてなし 魅せどころ

岩手
2020/7/27付
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NIKKEI MJ

東日本大震災からの観光を核にした復興に向け、岩手県釜石市が釜石港に整備した観光物産施設「魚河岸テラス」。2019年4月のオープン以降、集客は好調だったが、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大で一転、一時は休館を余儀なくされた。運営会社は地元の食材を使ったジェラートやウニ入りスープのしゃぶしゃぶなどを相次いで開発し、誘客へ巻き返しを目指している。

ジェラートは、釜石市内の酒蔵の酒かすなど地元の食材を使ったフレーバーが特徴

ジェラートは、釜石市内の酒蔵の酒かすなど地元の食材を使ったフレーバーが特徴

「梅の味がしっかりしていて、おいしい。こんなジェラートは市内ではほかに味わえない」。同館1階に登場した「魚河岸ジェラート部」を7月上旬に訪れ、地元の酒蔵「浜千鳥」の梅酒などを使ったジェラートを注文した市内の50歳代の女性は本格派の味わいに驚いた様子だ。

同店のジェラートは市内の食品関連企業などと連携して地元産の食材を使ったフレーバー(風味)が特徴。地元産の梅の細片まで練り込んだ「梅酒」のほか、ほのかなピンク色の「いくら醤油(しょうゆ)」など、地域色の豊かな12~13種類をそろえた。浜千鳥の酒かすを使った「大吟醸」が1番人気で価格はシングルで280円。

同店は魚河岸テラスを運営する観光振興会社「かまいしDMC」の直営で、約500万円をかけて5月末にオープンした。営業時間は午後2~4時で、同社の河東英宜取締役は「館内の飲食店のランチが終わってから夕食の営業が始まるまでの間、来館者がひと息つける場所をつくるため」と狙いを説明する。

同館は地元の新鮮な食材を使った料理などが人気で、開館から半年余りで来館者数が10万人を突破するなど好調だった。だが、新型コロナの逆風で4月末から5月中旬まで休館。飲食店は6月初めに営業を再開し、集客も昼間は以前の8~9割の水準まで回復してきたが、夜は館内4店のうち2店が再開を見合わせるなど、客足は完全には戻っていないという。

さらに東京など都市圏で感染が再拡大しており、夏から秋にかけての観光シーズンへの悪影響も懸念される。このため、同社は観光客が減る冬場の集客に向け、貝のだしをベースに焼きウニや生クリームを加えた濃厚なスープに野菜や白身魚などをくぐらせて食べる新たな名物料理「うにしゃぶ」も開発している。

「釜石は昨年のラグビーワールドカップで海外でも知名度が上がったが、当面は海外はおろか、首都圏などからの誘客もしにくい」と河東取締役。「まずは釜石の食材の良さを夏場はジェラートで、冬場はうにしゃぶでアピールし、県内や近隣県からの集客につなげたい」と話している。

(盛岡支局長 青木志成)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年7月27日付]

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