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LINE「ミニアプリ」企業に無料で 店舗・EC、ひも付け販促可能に

戦略ネットBiz

NIKKEI MJ

LINEは対話アプリ「ライン」上で動く「ミニアプリ」の本格的な提供を始めた。利用企業は来店予約や会員証、電子商取引(EC)といったサービスを提供しつつ、会員データを販促などに活用できる。約8千万人が日常的に使うラインで、多様なサービスの基盤となる「スーパーアプリ」化が進みそうだ。

アパレル大手のパルが運営する雑貨店「3COINS(スリーコインズ)」。レジ横にあるQRコードをカメラで読み込むと、すぐに自分の会員証が発行された。東京駅近くの店舗で買い物した会社員の女性は「紙の会員証はかさばるし、アプリはダウンロードが面倒。ラインだと手軽で助かる」と話した。

パルは2月下旬、グループの計700店超で会員証などとして使えるミニアプリの提供を始めた。コロナ禍で来店客が減ったものの、ミニアプリ経由でラインアカウントの登録者は約23万人と4倍弱に増加。個別に販促のメッセージを送るなどの施策で、ECの売り上げを伸ばせた。

パルは独自のアプリも提供している。ただ、店頭での説明やダウンロードに時間がかかるのが難点で、利用者数が伸び悩んでいた。堀田覚執行役員は「ミニアプリはすぐ使えて個人データの入力も不要。ライトな顧客の入り口としては最適」と話す。

LINEはこれまでパルを含めた11社にミニアプリを先行提供してきた。会員証以外に、入店を待つ人に順番を知らせる機能や、薬局に来店前に処方箋を写真で送れる機能など、業態に合わせた多様なサービスを開発。7月から、希望企業の審査申し込みを受け付けている。ミニアプリを介して外部企業との連携を加速する。

アプリと言えば、米アップルや米グーグルのプラットフォームから入手するものが一般的だ。ミニアプリの特徴について、LINEでサービス開発を担う谷口友彦マネージャーは「開発コストも利用のハードルも低い」と説明する。企業は既存サービスの機能の一部をミニアプリに取り込むため、通常アプリより開発費が抑えられる。ユーザーにとっては使い慣れたライン上で操作でき、スマホの空き容量を心配する必要もない。

店舗とネットの垣根をなくす「OMO」(オンラインとオフラインを融合させるマーケティング)につなげる狙いもある。企業は来店や購買記録などミニアプリの行動データを、自社で持つECのデータなどとひも付けられる。来店時にチャットでクーポンを配信したり、店頭で商品を見た客にオンラインで合わせ買いを促したり、効果的な販促がうてるようになる。

LINEはスマホ決済や金融サービスなど、日常的に使うサービスを取り込むスーパーアプリ化に力を入れる。NTTドコモの「d払い」など競合サービスも多機能化を進めるが、ミニアプリの大規模開発には取り組めていない。

LINEはミニアプリの利用料や販売手数料を取らず、原則無料で提供する。谷口氏は「まずは広く使ってもらい、広告事業やスマホ決済のLINEペイの活性化につなげたい」と話す。8400万人が日常的に使う対話アプリを活用できる点も生かし、先んじて事業者との連携を深める考えだ。

(伴正春)

[日経MJ2020年7月22日付]

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