頭上で輝くフレームの球体 めがねミュージアム(福井県鯖江市)
おもてなし 魅せどころ

福井
2020/7/20付
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NIKKEI MJ

入り口を抜けると、巨大な球体2つが頭上に現れる。目を凝らすと無数の眼鏡フレームが球体を形作っている。福井県眼鏡協会(福井県鯖江市)が運営する「めがねミュージアム」(同)では、このオブジェが来館者を出迎えてくれる。

球体1つあたり約700個の金属製フレームを使って作られている

球体1つあたり約700個の金属製フレームを使って作られている

球体の直径は約3.2メートルあり、1つあたり金属製フレームを約700個使っている。球体はそれぞれ吹き抜けの天井からつるされており、空間に浮かんでいるようだ。

ミュージアムの入る「めがね会館」が完成した1984年から飾ってあるという。「眼鏡産地らしいモダンでユニークなビルをテーマに会館を建設した。その一環としてオブジェを設置したようだ」とミュージアムの高宮隆祥店長は話す。

なぜ球体なのかは記録がなく不明とのこと。当時は鯖江でチタンフレームが実用化され、技術力が広く知られたころだ。鯖江産フレームを世界に行き渡らせたいとの思いからではと、想像をかきたてられる。

オブジェの下を奥に進むと、左に博物館、右に眼鏡ショップがある。ショップには鯖江産のフレーム約3000個がそろう。博物館は産地の歴史やフレームの生産工程を分かりやすく展示・解説している。

「眼鏡の街」の歴史は1905年に始まる。現在の鯖江市との境にある福井市の集落で、農閑期の副業としてフレームが生産された。技術者を招き、職人を育てて独立させることで地域に根付いていった。博物館では100年ほど前に使われた道具が9工程に分けて展示され、当時の作業を知ることができる。

また、元首相の吉田茂や石原裕次郎、美空ひばりといった往年の有名人が愛用した眼鏡の展示が目を引く。明石家さんまさんら現役の芸能人のものもある。眼鏡コレクターでもある俳優の大村崑さんの収集品だ。

2010年に開館したミュージアムの来館者は年々増え、19年は約20万人に達した。新型コロナウイルスの感染拡大による休館を経て5月に再開し、現在は感染防止のため同時入館者を25人に制限している。フレームや小物の製作の体験工房も6月末に人数などを限定して再開した。

(福井支局長 佐藤栄基)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年7月20日付]

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