赤神諒「太陽の門」(134)

赤神諒「太陽の門」
2020/7/7付
情報元
日本経済新聞 朝刊
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その他

「――一秒でも、敵のマドリード侵攻を遅らせるためのただの悪あがきだ。一つしかない命の使い方は、自分で決めてくれ」

ふだんは賑(にぎ)やかな連中だが、しわぶき一つ聞こえない。ごそごそ起き出してきたコオロギの足音でも聞こえそうなほどの静けさだった。

「あんたたちは、職業軍人でもないのに、十分すぎるほど戦った。俺たちの意外な抵抗に、敵もたまげたはずさ。だから胸を張って、マドリードへ凱旋してくれていい。あと…

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