朝井まかて「秘密の花壇」(149)

朝井まかて「秘密の花壇」
2020/7/4付
情報元
日本経済新聞 夕刊
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七章 八本の矢 3

寛政八年が明け、馬琴は三十歳になった。

正月二十五日、兄、興旨(おきむね)が主宰の俳諧百韻興行(はいかいひゃくいんこうぎょう)に誘われ、出席する。

兄は東岡舎羅文(とうこうしゃらぶん)という俳号を持っている。主君山口和泉守(やまぐちいずみのかみ)は小普請支配に転役となっており、兄は山口家の家老次席である。十五両三人扶持(ぶち)と聞いたから高禄(こうろく)ではないが、暮らしを…

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