奈良 祈りの美(1) 「奈良の大仏」(東大寺)
奈良国立博物館学芸部長 内藤栄

美の十選
2020/7/1付
情報元
日本経済新聞 朝刊
保存
共有
その他

疫病、天災、飢餓。古来より人は人知を超えた力に翻弄されてきた。かつて中心都市だった奈良に残る美術品は、人々が込めた祈りを今に伝える。

奈良時代の735年(天平7年)8月、九州の大宰府より疫病の報告が都に届いた。今で言う天然痘らしい。国は病人に食料や薬を与え、神仏に祈りを捧(ささ)げた。しかし、疫病は全国へと広がり、2年後には政治の中枢にいた藤原四兄弟(武智麻呂・房前・宇合・麻呂)の命を奪った。…

[有料会員限定] この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。

電子版トップ



[PR]