「グーグルクラスルーム」学校に浸透 ソフト・ハード両面でMSと競争
読み解き 今コレ!アプリ フラー最高マーケティング責任者・杉山信弘氏

2020/7/1付
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NIKKEI MJ

新型コロナウイルス対策により休校期間が長期化した教育の現場で、デジタル活用が加速している。なかでも米グーグルの学校向け学習管理アプリ「グーグルクラスルーム」の利用者が急増中だ。国内の学校向けパソコンの基本ソフト(OS)は米マイクロソフトの「ウィンドウズ」が圧倒的なシェアを握っている。グーグルはアプリを「先兵」にして、ソフト・ハードの両面からこの状況をひっくり返そうとしている。

フラー(千葉県柏市)のアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」によると、グーグルクラスルームの5月の平均週間利用者数は、3月と比べ約7倍に増加した。休校期間中の対応策として、全国の学校で導入が進んだ様子がうかがえる。

グーグルクラスルームは学校生活のサポートサービス群「グーグル・フォー・エデュケーション」の中のサービスの1つだ。各種の連絡、課題の評価、テストの実施、成績の取りまとめなどができる。「ストリーム」という学内掲示板のような機能や「メンバー」というメーリングリストの機能もある。

グーグルクラスルームはグーグルが提供している各種サービスと連携することで、真価を発揮する。例えばオンライン会議ツールと連携し、簡易なリモート授業ができる。場合によってはオンラインでの授業参観も実施可能だ。動画配信のユーチューブに授業をアーカイブしておけば、生徒や学生は学びたい場面を何度でも見直せる。

企業のアンケート調査でよく使われている「グーグルフォーム」も、用途を変えれば健康調査やテストのためのインターフェースに早変わりする。紙と違って集計も自動化でき、未提出の生徒の抽出も簡単だ。資料作成の「グーグルスライド」の共同編集機能を用いることで、リモートでのグループワークが可能になり、提出スケジュールは「グーグルカレンダー」で管理できる。

オンライン上での学校生活では、生徒が同じ環境で学習できる環境を整備することが最大の課題となる。自宅でパソコンやスマホを閲覧しながら学習に集中できる環境をつくることはもちろん、安定稼働する端末やインターネット回線も必要だ。

コロナ禍による長期休校に加え、全国の小中学生に1人1台のパソコンを配備する政府の「GIGAスクール構想」もあり、教育関連市場はテック企業にとって特需が見込める重要なマーケットに変わった。グーグルは同社の「クロームOS」を搭載した割安なパソコン「クロームブック」の拡販を、教育の現場でも進めている。その際にキーとなるアプリケーションがグーグルクラスルームというわけだ。

もっとも国内の学校向けパソコンのOSは、官公庁にも強いマイクロソフト(MS)の「ウィンドウズ」の独壇場となっている。MSは5月に発売した軽量・割安なタブレット端末「Surface(サーフェス)Go2」で日本の教育現場に売り込みをかけており、実際に採用を決めた自治体も出てきている。グーグルとMSは日本の教育関連市場でも激しいシェア争いを繰り広げている。

[日経MJ2020年7月1日付]

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