春秋

2020/6/24付
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勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。野球の名将、野村克也さんが格言としていたので、ご存じの方も多いだろう。もとは江戸時代の大名で随筆家として高名な松浦静山の言葉である。勝因であれ敗因であれ、結果の分析こそが大切。そう理解している。

▼パンデミックは悪化の一途をたどる。この第1波で日本の感染者数はなぜか少なくすんだ。緊急事態宣言が解かれてひと月、その要因を巡りかまびすしい。「3密」の徹底や「8割減」がよかった。いや、手洗いやマスクの習慣をばかにできない。BCG説、さらに似たかぜが過去にはやり免疫がついた、との見方も出た。

▼英エコノミスト誌が先週、各国の新型コロナへの対応で成績表を公表した。日本は4段階の下から2番目の「可」。検査不足が足を引っ張った。米国やフランスが「良」というから調査にいささか疑問もある。日本政府は「勝因」を検証し内外にアピールする時なのに、国会を閉じたところをみると、その気概はあるのか。

▼「日本モデル」と胸をはってみせた首相ご自身が、まさか、たまたまと思ってはいるまい。「8割おじさん」こと西浦博先生は日本の流行を野球にたとえ、一回裏が終わったところ、と言っている。このたたかいは長丁場。ノムさん流、イニングごとに反省点をみつめて次に生かさなければ、第2波がなんとも不安である。

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