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遠隔勤務導入、5つの段階

新風シリコンバレー ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長 ロッシェル・カップ氏

多くのウェブサイトのバックエンドとして使われるワードプレスというソフトを作るAutomatticという会社の本社は米サンフランシスコにある。

人事管理とグローバル人材育成を専門とするコンサルタント。北九州市立大学教授。シリコンバレー流の経営を理解し、学べるようにすることに注力している。著書に「日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法」

しかし、本社に事務所はない。かつては存在し、私も訪ねたことがある。多くのシリコンバレーの事務所のように、広くておしゃれだった。ところが、2017年に事務所は閉められた。会社設立時から従業員にリモートワークの選択肢を与えた結果、皆がリモートワークを望み、事務所の利用者が少なかったためだ。

このようにリモートワーク中心の企業文化を持つことから、今回のコロナ禍で、創設者のマット・マレンウェッグ氏にリモートワークのノウハウを聞く人が殺到した。それに答える形で、マレンウェッグ氏は企業のリモートワーク導入の5つの段階を示した。

まず、レベルゼロはその場にいないとできない仕事。例えば、建築現場の作業員、マッサージ師、バリスタ、消防官などに当てはまる。しかし、多くの企業が思うほど、このような状況で働く人は多くはない。

レベル1は、リモートワーク促進の努力をせず、仕事の全てを会社でこなさなければならないという前提の会社。このような会社の従業員は数日間は事務所にいなくても仕事ができるものの、実際には事務所に戻るまでただ待つことが多い。そのためレベル1の会社は新型コロナの準備を十分にできていなかった。

レベル2はコロナ禍で多くの会社が置かれている段階でもある。とりあえず、在宅勤務するが、仕事の仕方は事務所にいる時とあまり変わらない。この段階の会社は、従業員のパソコンに監視ソフトをインストールしたがる。マレンウェッグ氏はそれを勧めないほか、この段階で留まることに対し警鐘を鳴らしている。

レベル3はリモートに重点を置くことのメリットを把握し始める段階だ。リモートワークをしやすくなるような設備を導入し、普通の会議の代わりになる効率的なプロセスを導入する。口頭の会話の代わりに、仕事の記録や書面での説明の量と重要性が上がる。社員の書く力の重要性を認識するため、採用の時にはそれに重点を置く。

レベル4の会社は動きが非同期的になる。いつやったのか、どのようにやったのかではなく、人の仕事を結果で評価するようになる。従業員のお互いの信頼で全てが機能する。全世界に住む従業員たちが仕事を上手につなぎ、24時間回していく。至る所から才能のある人を採用できるし、従業員の定着もよくなる。

レベル5はあまりにも理想的で達成不可能かもしれないとマレンウェッグ氏は言う。この段階では追加的な努力なしで高い効果を出しながら、皆が楽しく創造的に毎日働けるそうだ。

さて、あなたの会社は5段階でどこにいるだろうか。そして、シリコンバレー企業との競争に生き残り、コロナの中でも繁栄したいのであれば、どうやって次の段階に行けるようになるのだろうか。この機会にぜひ考えてみて頂きたい。

[日経産業新聞2020年6月23日付]

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