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春秋

おカネに色はない、という。だが、人は無意識のうちに様々な収入を、心の中の「帳簿」で仕訳し、支出行動を決めるのだという。汗水たらして得た報酬は大切に使おうとする。一方、賭けマージャンや公営ギャンブルで勝った利益は「棚ぼた」と考え、散財しがちだ。

▼行動経済学の権威でノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー氏は、これを「メンタル・アカウンティング」(心の会計)と名付け、不合理な人間の振る舞いを研究した。当局が税金を多く徴収し、後に還付すると――。人々は案外、無頓着に使ってしまう。「あぶく銭勘定」に色分けする心理が働くのだろうか。

▼検察当局は河井克行前法相と、妻の案里参院議員を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。昨年の参院選で自民党本部は、他の公認候補に比べ破格に多い1億5000万円の活動資金を案里議員の陣営に振り込んだ。夫妻は地元議員ら約100人に計約2500万円の現金を配り、票の取りまとめを依頼した疑いがある。

▼自民党の収入の約3分の2は政党交付金だ。政党への公的助成は、政治家の不正なカネ集めを抑制する目的で制度化された。もし私たちの税が、買収の原資になったとしたらやりきれない。政治資金の使途は不明朗で、キャバクラ代などに支出した例もある。あぶく銭と考えているのか。事件のもう一つの闇はここにある。

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