PR会社の無料相談サイト 伝えるプロと苦境中小つなぐ
先読みウェブワールド (野呂エイシロウ氏)

2020/6/1付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

プレスリリース配信大手のPR TIMESが新型コロナウイルス危機で窮地に陥る事業者向けに、PR関連の無料相談サービスを始めた。営業再開や業態転換の告知に頭を抱える中小企業と、予算縮小やイベント自粛で仕事を減らしたPRのプロをサイト上でマッチングする。出会いを通じて、危機を乗り切ろうという企画だ。

「4MEETSプロジェクト」の案内

「4MEETSプロジェクト」の案内

5月1日から「4MEETSプロジェクト―出会うPR―」というウェブサービスが始まった。プロジェクト名にはつくる人(事業者)、伝える人(PRのプロ)が出会い、広める人(メディア)と受け取る人(ユーザー)の4者が出会う場所という意味が込められている。

事業者の相談料はかからず、PR TIMES側が負担する。一方で相談に乗るPRパーソンはPR TIMESから受け取る相談料を「無料」と「3万円」から選べる。マスメディア業界にいる筆者も早速、無料を選択して相談に乗ることにした。

5月初旬、サイトにログインすると、たくさんの相談者が待っていて、最初は飲食店の方だった。コロナの影響で売り上げがものすごく減ってしまったという。苦労や心労が大きく、話の内容が相談になっていない感じもあったがとにかく、その店のホームページを見ながらアドバイスをした。

まずは商圏のチェック。全国に露出する必要はなく、半径10キロ圏内に届けば十分だ。地域の新聞やネットニュースに情報を提供することを伝える。広報の面では素人という印象を受けたので「プレスリリースはいりません。とにかく赤文字で『新型コロナの担当者様』と書いて、今の状況と頑張っている姿、この時期にテークアウトで喜んでもらえるものを写真付きで書いて郵送しましょう」とアドバイスをした。手紙を書いてもらうことにしたのだ。

当初考えていた以上に、相談者が多い。「売り上げが以前と比べ1割ほどに落ち込んでしまいました。今後の見通しが立ちません」という絶望的なコメントが数多く寄せられていた。問題解決以前に、とにかく相手の話を聞いてあげることが大切なのだと感じた。現在、筆者も時間のある限り返答を続けている。

のろ・えいしろう 愛知工大工卒。学生時代から企業PRに携わり、出版社を経て日本テレビの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家デビュー。戦略PRコンサルタントとしても著作多数。愛知県出身。

のろ・えいしろう 愛知工大工卒。学生時代から企業PRに携わり、出版社を経て日本テレビの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家デビュー。戦略PRコンサルタントとしても著作多数。愛知県出身。

子供向けの施設の経営者からの相談もやはり冒頭は悩みからだった。コロナで人が集まれないという事態に対応する必要がある。子供向けの施設なので「ネットでなんとかしましょう」と言うわけにはいかない。「安全対策を売りにしませんか」と売り込み方のアドバイスをした。先の見えない戦いの連続である。

PR TIMESはこのプロジェクトを通じ、1年間で最大1000件の事業者とPRのプロとの出会い創出を目指している。「平時でない今こそ、顔を上げて懸命に行動し続ける身近なヒーローの情報を届ける」とPR TIMESの広報、三島映拓氏は話す。

現在のように苦しい状況の時は、とにかく誰かに相談することだ。弁護士や税理士の無料相談なども活用したほうがいいだろう。助け合いは必ず何かを生む。経済活動における、新型コロナとの戦いはまだ始まったばかりだ。

[日経MJ2020年6月1日付]

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]