コニカミノルタがIT化を支援 コロナ助成金の申請代行も
戦略ネットBiz

2020/5/27付
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NIKKEI MJ

コニカミノルタは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワークをはじめとした働き方改革の支援サービスを広げている。5月には社会保険労務士がウェブ上で助成金申請を支援・代行するサービスを始めた。同社の事務機の顧客企業には、中小企業を中心にIT(情報技術)のノウハウに乏しい企業も多い。公衆無線LANの業務利用サービスやオンラインマニュアルの作成支援などと合わせ、顧客の経営基盤をサポートする。

雇用調整助成金を申請する事業者(名古屋市中区)

雇用調整助成金を申請する事業者(名古屋市中区)

複合機事業を手がけるコニカミノルタは様々な規模の顧客を抱えるが、新型コロナを受け「中小企業にとって労務手続きやIT(情報技術)機器の整備が大きな壁だと判断した」。例えば助成金の申請1つをとっても、中小企業では社労士と顧問契約を結んでおらず、就業規則など必要な書類も完備されていないケースがほとんどだ。

そこで5月、社労士がウェブ上で助成金申請を支援するサービスを始めた。傘下のコニカミノルタジャパン(東京・港)が、専門領域の異なる複数の社労士を企業とマッチングさせるサービスを運営するトライポート(東京・新宿)と組んで提供する。

トライポートによる年間3000社以上の相談実績を基に、従業員規模や業種別に申請できる助成金をまとめ、利用企業に提案する。就業規則や勤怠情報を記した書類を写真データなどでやりとりし、申請書の作成を支援・代行する。

助成金は都道府県の労働局ごとで申請時の基準に若干の違いがあり、例えば社員に受けさせる研修の写真が必要であることなど、迅速な手続きに必要な情報も提供する。テレワークを導入に必要なIT機器を購入する際の、助成金の情報なども併せて知らせる。

中小企業ではそもそも労務管理が完璧でないケースも多い。チャットを用いて企業担当者と密にやりとりをすることで、「就業規則に不備がある」「労働時間の管理や残業代の計算が適切か確認してもらいたい」といった顧客の潜在課題を明確にすることができる。

料金は労務相談や必要書類の作成支援で月3万8000円。助成金の申請代行は1件3万円と受給金額の1割が手数料となる。チャットでの労務相談のみや行政手続きの代行など複数の料金体系を設ける。年間で1000社の導入を目指す。

コニカミノルタはこれまで顧客企業の働き方改革を支援するサービスを拡充してきた。2019年に業務マニュアルのオンライン作成・共有サービスを、20年4月には公衆無線LANを業務に安全利用できるサービスをそれぞれ発売した。事務機が国内売上高の7割を占める同社にとって、オフィス外で働く企業が増えることは一面的には逆風となる。顧客企業の従業員の支援に軸足を置き、事業の転換を図っている。

足元では新型コロナの感染拡大で事業の環境が激変し、従業員のサポートにまで手が回らない中小企業は多い。BtoBビジネスにおいても、ハードやソフトといった単体の商品販売だけでなく、個々の企業が必要とするサービスをくみとって商品化する力が求められる。

(橋本剛志)

[日経MJ2020年5月27日付]

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