春秋

春秋
2020/5/24付
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オフィス、通勤電車、繁華街――。新型コロナ禍は私たちの周りの景色を大きく変えた。路上もそうである。警察庁によると4月中に全国で起きた交通事故は2万805件で、前年の4月に比べ36%減ったという。外出自粛がもたらした成果と言っていいかもしれない。

▼では交通事故による死者の数も同じように少なくなったかというと、そうではない。4月中の死者は213人で、減少率は2割ほどにとどまる。東京や大阪、愛知などでは逆に数が増えているというから驚く。道路がすいて渋滞もなくなり、ついスピードを出したり、注意力が散漫になったり、といった事情があるようだ。

▼「魔の7歳」という言葉がある。歩行中に車にはねられて死傷した人を年齢別にみると、7歳が突出して多い。人口あたりでは全年齢の平均の3倍以上にもなる。そして小学生の死亡・重傷事故がもっとも多い時期は5月。学校に通い始め、ひとりで外に出る機会が増えた子どもたちが事故の犠牲になる現実を改めて思う。

▼多くの地域で緊急事態宣言が解除となり、学校再開の動きが始まっている。この間に私たちはいろいろなことを学んだ。自粛生活が明けた後、子どもが事故に遭う「魔の5月」が6月や7月にずれこんだだけ、という愚は避けたい。子どもたちを輪禍から守る。コロナ後の新しい生活様式に、ぜひこの一項目を明記しよう。

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