コロナの経験が生むDX
SmartTimes ネットイヤーグループ社長 石黒不二代氏

コラム(ビジネス)
2020/5/20付
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デジタル化や働き方改革など以前からトライをしてきたが、いまひとつ実現しなかったことが、「Withコロナ」と呼ばれる働き方や生活様式の変化で実現しようとしている。人々は小売店舗に足を運べなくなり、在宅勤務が推奨され、営業もミーティングもビデオ会議。EC需要は激増、年配の方々もネットを通じて注文するようになった。

1994年にスタンフォード大学経営大学院を修了、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。2000年から現職。

1994年にスタンフォード大学経営大学院を修了、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。2000年から現職。

そこで、Withコロナが新世界を創造することを前提にDXのやり方をこれから何回かにわたりお話できたらと思う。始まりは「慣れ」だ。いやが応にもデジタルを使わざるを得ない状況が慣れを生み「当たり前」を作り出していく。

「アバター接客」というツールがある。小売店舗に置いてあるスクリーンの中からアバターが接客をしてくれるという代物だ。導入している店舗は少ないし、なんだか消費者にとっては奇異に映っていたことだろう。しかし、外出制限が徐々に解除された時、利用が増えそうな気がしている。

もともと、小売店で買い物をする人たちの中には、店員さんに話しかけられない方が快適という人たちも多い。だけど情報は得たい。そんな顧客体験を実現する方法がアバター接客である。アバターという非現実的な物体による接客を経験したことがない人も、在宅中にビデオ会議で背景を変えたり自分をアバターにしたりして、アバターへの違和感はなくなっている。

もともとは、スタッフがいなくてもどこでもお店が作れるということで開発されたようだ。店舗にあるのはアバターでも、裏では人が実際に遠隔から話しかけている。感染リスクはない。在宅で業務ができる。育休中の人、障がい者の方々、以前お店で働いていたOBやOGなど年齢制限を超えて仕事をすることができる。まさにWithコロナ時代の働き方と言える。

家具やカーテンなど実物を見てみないとよくわからない商品に関して予約をして店舗を訪れるが店員さんが捕まらないことがある。初めての買い物だから質問したいことが多すぎてその場で店員さんに聞くこともはばかられる。アバターはそれらを解決してくれる。

システムをさらに拡張すると、EC上でもアバター接客が可能になる。実はウェブやアプリ上の情報では細かい内容がわからないというクレームは多い。チャットで会話するというツールもあるが、文字を打つことは面倒だ。だから、EC上でアバター接客をすれば販売促進に貢献するのではないだろうか。

何よりデジタルの良いところは接客中の会話をデータとして分析できることだ。購買促進につながった言葉も分析できるので、接客技術の教育にも使える。将来的に専門的なやりとりだけ人が対応して、あとはAIを通してアバターが接客してくれる、Withコロナがそんな時代を作り出してくれる気がする。

[日経産業新聞2020年5月20日付]

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