外出自粛のGW、家ナカ消費活発 Zoomとウーバーイーツ躍進
読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長・日影耕造氏

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2020/5/20付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

今年のゴールデンウイーク(GW)は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請で、移動が大きく制限された。アプリ利用のデータからは「アフターコロナ」「ウィズコロナ」の世界における人々の消費行動やビジネス・マーケティングのあり方など多くの示唆が得られる。

フラー(千葉県柏市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」で緊急事態宣言直前(4月1~7日)と、GW期間中(4月29日~5月6日)のスマートフォンアプリの平均日間利用者数(DAU、対象はアンドロイド)を比較すると、巣ごもり生活の実態が見えてきた。キーワードはやはり「家ナカ消費」だ。

動画サイトの「ユーチューブ」のGW中の平均DAUは1180万人。4月1~7日に比べ82万人(7.5%)増と全アプリを通じて最もDAUの増加数が大きかった。筆者も趣味の釣りに出かけられず、家で釣り動画を見て楽しんだ。趣味や嗜好にあった動画を視聴しようとしたユーザー心理が透けて見える。

他の動画系アプリも「Hulu(フールー)」が32.2%増、アマゾンの「プライム・ビデオ」が21.6%増、「GYAO!」が21.3%増、ネットフリックスが19.5%増だった。コミック・電子書籍関連もGWに利用が伸長した。コミックアプリ「マンガPark」は42.9%増、アマゾンの「キンドル」は33.6%増、小学館の漫画アプリ「サンデーうぇぶり」は25.4%増だった。

ネットショッピングも盛んだった。Yahoo!ショッピングは19.5%増、楽天市場ショッピングアプリは10.1%増、メルカリは9.3%増、アマゾンのショッピングアプリは5.7%増だった。食の分野ではフードデリバリーのウーバーイーツが93%増と利用が爆発。動画レシピアプリのクラシルが35.5%増と、外食が制限されるなかで、内食を楽しむ傾向が鮮明だった。

特徴的だったのは、オンラインミーティングアプリZoom(ズーム)だ。GWにかかわらず2.3倍増と利用が格段に増えた。これには大きく2つの理由があったとみられる。1つはプライベートの利用。GW直前の日曜日である4月26日に比べ、減少幅が穏やかであるうえ、DAUのベースも一段上がっている。「オンライン帰省」や友人同士のコミュニケーションで活用があったようだ。

もう1つは、GWも一定数の人々が何らかの仕事にかかわる作業をしていたという見方だ。電子商取引や物流、製造業、医療、介護などの分野では活動を継続する企業は多くある。外出自粛要請下でこれらの企業が、オンライン上でコミュニケーションを展開したようだ。

政府は39県の緊急事態宣言を解除したものの、引き続き県境を越えた移動の自粛を呼びかけるなど予断を許さない状況が続いていることに変わりはない。GWの人々の過ごし方を示すアプリのデータは「新常態」の端緒だろう。家ナカ消費にどのような変化が生じるのか注視しながら、アプリのデータににじみ出した人々の新たな消費行動を丁寧に読み解きたい。

[日経MJ2020年5月20日付]

「日経MJ」をお手元のデバイスで!

 ヒット商品の「売れる」理由を徹底リサーチ。売り場戦略から買い手の最新動向まで、独自に取材。「日経MJビューアー」を使えば、全てのデバイスで閲覧できるようになります。最初の1カ月間無料でご利用いただけます。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]