ピウスツキ、アイヌ民族研究にポーランドの風
19世紀末から共に暮らした学者を追う 沢田和彦
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19世紀末から20世紀初めにかけ、サハリン(樺太)と北海道の地に住むアイヌの人々と親しく交わり、彼らの民族調査に携わったポーランドの民族学者がいた。
ロシア皇帝アレクサンドル3世の暗殺未遂事件に連座し、政治犯としてサハリンに送られたブロニスワフ・ピウスツキ(1866~1918年)。流刑の地で先住民に出会い、持ち前の卓越した言語能力と心優しい性格で人々に迎え入れられ、言語や民俗に関する貴重な記録を...