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「リモア」が普通の時代に

SmartTimes インディゴブルー会長 柴田励司氏

「リモア時代」の到来。「リモア」とはリモートアクセスの略。私の造語だ。 新型コロナウイルスの感染を避けるために、いまや多くの人が在宅勤務というリモアを強いられている。慣れないリモアに不自由さを感じている人も少なくないだろう。早く元の状態に戻ってほしいと願うのはわかるが、コロナ禍が終息しても元には戻らない。そう私は思っている。

アフターコロナではリモアがふつうの働き方の一つとして定着するだろう。なにしろ、4年に一度程度のサイクルで感染症問題が発生している。今回の学びから、まっとうな経営者なら今後「リモア」をふつうの働き方としてビルトインさせるのは当たり前だ。

今回、リモアに慣れてきた人たちには気づきが生まれている。会議が短時間で終わる。移動時間がないので、効率的に物事を進められる。自分の成果へ「あいのり」をされない。「あいのり」とは会議中、発言することもなくうなずくだけで成果に貢献しているような気配を出すことだ。さらに、リモアを使いこなしているメンバーでチームを組むと生産性が極めて高い。

先週、ビデオ会議サービスのZoomを使ったオンラインセミナーで3回お話しする機会があった。終了後、参加者からこんなことを言われた。「これまでセミナーといえば東京や大阪でしか開催していなかった。オンラインで開催してくれると地方にいても参加できる。ありがたい」。リモア時代は地方の壁が一気になくなる。地方の人材の活躍の場が広がる。

新型コロナはビジネスマンに進化を求めている。ネアンデルタール人がクロマニヨン人に駆逐された理由として、狩猟の技術やコミュニケーションの能力、予期せぬ環境の変化に対応する能力の差があったという説がある。リモア時代になると、生き残れる人種(組織)とそうでない人種(組織)に分かれるのではないか。

生き残るため今のうちに自社をリモアモードに変えるべきだ。決裁や業務手続きを進めるためのペーパーワーク、社内情報を自社オフィスだけで扱うことを前提としたセキュリティー、全員が出社することを踏まえたオフィスの設計――。こうしたインフラの改修はすぐに着手すべきだろう。さらに、意思決定や人事評価の仕方もリモア式に対応させていく。

チームが一堂に会したときには意識してチームビルディングの機会を設ける必要もある。相互の信頼関係なしにリモアは成立しない。「あいつ何やってんだ?」「作業内容を細かく報告せよ」などと言い合っていたらリモアが成立しないどころか、恐ろしく生産性が下がる。リモア時代は一人ひとりのアウトプットがはっきり分かる。仕事力、ファシリテーション力、意思決定力を鍛える場は今から必要だ。

[日経産業新聞2020年4月27日付]

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