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春秋

「クラスター」といえば、昨今だれもがコロナ禍を思い浮かべるに違いない。専門家が感染者集団のことをしきりにクラスターと呼ぶから、すっかり耳になじんだ。しかしもともとは果実の房や、花の束のことだという。そこからさまざまな集合体を指すようになった。

▼いくつかの法案をまとめて議会に出す「束ね法案」なるものも、一種のクラスターだろう。このあいだ国会で審議入りした、国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げる法案には、検察官の定年を延ばす検察庁法改正案も束ねられている。まあ似たような話だから――と見過ごしそうになるが、これがちょっと怪しげだ。

▼改正案は検察官の定年を65歳にするだけではない。最高検の次長検事と高検検事長は63歳で役職ストップ。ただし「特別の事情」があるときは続投OKとも書いてある。おや、どこかで聞いたような……。そう、黒川弘務・東京高検検事長の定年を半年延ばした一件と重なって見えるのだ。あのケースの明文化ではないか。

▼振り返れば、政権に近しいとされる黒川氏の続投をめぐっては法解釈を後付けで変えた疑いが晴れぬままだ。そこへもってきてこの法案である。いかに危機のさなかとはいえ、あいまいな説明では納得を得られまい。コロナ、コロナできょうも過ぎゆく。この問題に限らず、疑惑のクラスターがあちこちに放置されている。

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