天坊昭彦(15)バブルの終わり
薄い危機感 膨らむ負債 投資抑制の訴え届かず
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1991年7月、取締役経理部長として帰国した。取締役になる感慨より、3年ぶりに本社に戻って戸惑ったのは、ロンドンから見ていた日本についての認識と、社内の受け止め方の違いだった。
日経平均株価は89年を頂点に下落に転じた。主要都市の地価も91年には下落の兆しが強まっていた。ロンドンの金融関係者らと話をすると、バブル経済は終わり、デフレが始まるとの見方で一致していた。
しかし、社内では株価下落は一時...

出光興産は実業家の出光佐三氏が興した石油会社です。バブル経済の終わりとともに経営危機に陥った時、天坊昭彦さんは経営改革に立ち上がり、上場を果たして同族経営に終止符を打ちました。挑戦を続けた天坊さんが改革の舞台裏を含めて、波乱の半生を振り返ります。
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