アパレル店員がコーデ発信 通販に身近な魅力、報酬反映
戦略ネットBiz

2020/3/25付
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NIKKEI MJ

ファッションのインターネット通販でバニッシュ・スタンダード(東京・港)が提供するアプリ「STAFF START(スタッフスタート)」が存在感を増している。店舗の販売員がコーディネートを考え、着用した写真を投稿できるサービスだ。身近な販売員を活用したことで消費者から支持を受け、導入するブランドは800を超えた。商品が購入されると販売員に報酬を払える仕組みも取り入れ、現場の活力も引き出している。

エドウインでは店員同士でコーディネートを投稿

エドウインでは店員同士でコーディネートを投稿

通販サイトにあふれる洋服の販売画像。マネキンや背の高いモデルが着こなし、より一層すてきに見える。でも自分の体形に合うのかどうか――。そんな悩みから購入をためらう人もいるだろう。

ネット通販では商品を手に取れず、手元に届いたときに素材やサイズなどが描いていたイメージと違うことがある。スタイルの良いモデルが着た画像ではなおさらだ。スタッフスタートは消費者のそんな悩みに目をつけた。

「Tシャツは大きめのサイズを着てダボっとさせつつもインして女の子らしさを出しました◎」「前はスエット生地で楽、後ろはデニム生地です」……。ジーンズ大手のエドウインのサイトにはスタッフが商品を着た写真が並ぶ。名前と店舗、身長も記し、等身大の着こなしイメージが参考になる。

身長や体形を入力して商品のサイズを分かりやすくする

身長や体形を入力して商品のサイズを分かりやすくする

コーディネートを考えるのは販売員自身。着用したトップスやボトムスなど個別の商品の画像を掲載して、クリックすると購入できるページに飛べるようにしている。

販売員の操作も簡単。商品についたバーコードをスマートフォンで読み取れば、着用した商品画像をコーディネートの写真にひも付けられる。キーワードのハッシュタグを選び、本部で投稿を承認されれば完了だ。

スタッフスタートは2016年9月に始め、19年末には導入ブランドが811に達した。オンワードやアダストリア、ベイクルーズなど有名ファッションブランドが名を連ねる。販売員のコーディネートを見てからの商品の購入額は19年に年間で411億円にのぼり、前年の3倍に拡大した。

ただ、SNSでの発信が増えるのは販売員の負担が高まることでもある。バニッシュ・スタンダードの小野里寧晃社長は「現場の負担が増えるのに、店舗の実績にはつながらず不満が高まっていた」と指摘する。そこで、コーディネートを見てからの商品の販売額を販売員の実績として計上できる機能を特徴として打ち出している。

販売員が投稿したコーディネートの閲覧者数や、アプリを通じた売り上げも目に見えるため、販売員の評価システムとしても活用できる。販売員に特別な報酬を支払うブランドも出てきた。販売員のやる気も高まり、人気の販売員に会うため店舗を訪れる消費者もいるという。

アパレル業界は低迷が続く。スタッフスタートはデジタル技術により、実店舗以外の市場を開拓しながら店員の満足度も高めている。

(勝野杏美)

[日経MJ2020年3月25日付]

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