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米国でもリモートワーク

新風シリコンバレー ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長 ロッシェル・カップ氏

シリコンバレーの巨大テック企業とベンチャー企業の共通点は、社内設備が極めて充実していることにある。魅力的な空間を用意し、社員にリモートワークよりかは、逆に出社を促すことでの社員間の知的、そして感情的な触発を促進していると思われる。

人事管理とグローバル人材育成を専門とするコンサルタント。北九州市立大学教授。シリコンバレー流の経営を理解し、学べるようにすることに注力している。著書に「日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法」

確かに近年、皆にできるだけ会社に来てほしいという風土が、公然の秘密としてシリコンバレーには存在していた。リモートワークを可能にするハード面とソフト面での設備をつくっている会社自体が、実はリモートワークをあまり好んでいないという実態もあった。皆が同じ場所にいると、コミュニケーションが密接になるし、アジャイルソフトウエア開発のグループワークにも適しているという考えも強かった。しかし、この考え方は現在2つの現実にぶつかっている。

一つはシリコンバレーの物価と混雑さ。近年、企業はシリコンバレーでの雇用を増やしすぎたので、家賃は跳ね上がり、交通渋滞もひどい。もうこれ以上人を入れられない状態にまで達している。結果、より多くのシリコンバレー企業は米国のほかの都市や海外に拠点を開いて、リモートチームで仕事をしている。

もう一つの現実は新型コロナウイルス。ハイテクセンターとしてシリコンバレーと肩を並べるシアトルは3月上旬時点で感染のホットスポットになっている。サンフランシスコのベイエリアにも感染者数が多いので、予防対策として多くの企業は自宅勤務を強制的に行っている。結果として、多くのシリコンバレーの従業員が在宅勤務に慣れるにつれて、シリコンバレー企業のリモートワークへの態度はかなり変わるのではないかとみられている。

例えばツイッターの人事担当者は3月初めにこう言っている。「おそらく私たちは前の状態に戻ることはできないでしょう。リモートで働くことを遠ざけていた人々が、その働き方のパワフルなメリットに気付き始め、またそれまでリモートチームを管理できないと思っていたマネジャーは以前とは違った態度を持つようになるでしょう。もう元に戻れないと思います」

リモートワークの成功のために、シリコンバレー企業は積極的な対策をとっている。例えば一人で家で働く人の孤独感を防ぐために、情報共有とインターアクションのための機会を意識的に作っている。リモートチームを管理している、あるシリコンバレーのマネジャーはこうコメントしている。「私は皆が共通認識のもと仕事に取り組めるよう、過度に思えるくらいのコミュニケーションをとることを心掛けている。これはリモートチームに対し、より頻繁な1on1ミーティングや通話を取り持ったり、メールやプライベートメッセージを絶えず飛ばしたりすることである。そうやって安心感を彼らに与える責務が私にはある」

こういった密接なコミュニケーションを達成するために、シリコンバレー企業はもちろん、彼らが作っているクラウドサービスやビデオ会議ソフトウエアを大いに生かしている。

[日経産業新聞2020年3月24日付]

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