朝井まかて「秘密の花壇」(65)

朝井まかて「秘密の花壇」
2020/3/24付
情報元
日本経済新聞 夕刊
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その他

三章 筆一本 18

まさかと思いながらも、恐る恐る訊(たず)ねてみた。

「それはつまり、私の名で出板(しゅっぱん)をしていただけるということでござりましょうか」

「まあ、一度出してみるといいよ」

京伝はいとも気易く答え、煙管(きせる)を手にした。

「ただし前にも言ったように、戯作なんぞは本業を持って、その片手間でやるもんだ。早いとこ稼業をお見つけよ」

稿を板元に渡したからと言って筆料をもらえるわけで…

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