手帳はアナログ 思い出や愚痴 存分に記録
ミレニアルスタイル

コラム(ビジネス)
2020/3/20付
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NIKKEI MJ

新型コロナ騒動が続く中、不要不急の外出を避けて自宅で過ごす人が多い。そんな中、26歳女性が「3月の予定がこんなにキャンセルなんですよ~、まいった」と手帳を見せてくれた。仕事の予定、送別会、友人結婚式、ライブ等スケジュールが書き込まれたところには、修正テープのあとや「延期」の文字がたくさん。

手帳には手書きでその時の気持ちを書き込む

手帳には手書きでその時の気持ちを書き込む

調査会社マクロミルが2018年10月に紙の手帳かスケジュール管理系アプリを使っている人を対象に実施した調査によると、スケジュール管理は、10代男性以外どの世代でも手帳派の方が多い。特に20代女性はデジタルの利用も38.2%と多いが、手帳の利用が52.8%で、いずれも全年代で最も多い。

仕事はアプリ、プライベートは手帳と、両方を使いわけているという声も聞く。アプリは仕事での利用がメインで、無味乾燥なスケジュール管理ツールにすぎないが、手帳は、スケジュールが一目でわかる利便性だけで使っているのではなく、自分の記録や思い出も詰めこんでいるようだ。

手帳は、大きさ、レイアウト、色やデザインなど、自分の好みで選ぶのが楽しい。人に見せないし、SNSにアップもしない。手帳は自分自身の投影なのだ。

予定以外には「彼と喧嘩した」など「日々の出来事や映画や本で心に残ったフレーズなども書き込む」(27歳)という。ペンで色を付けたり、イラストを描いたり、シールやイベントのチケットを貼ったり。アプリと違い、そこには生々しさ、リアルさがある。

ミレニアルズたちは中・高生時代から習い事、遊びほか項目ごとに色鮮やかにペンで区別し、デートの日にはハート型シール、一緒に遊んだ子の名前や場所を記したり、お金の貸し借りも書き留めたりする「一言日記」など、大人顔負けの使いこなしをしてきた。成人しても変わらない人が多いのだろう。

過去のものを大事にとっておく人は、歴代の手帳を並べると大きさやデザインも様々で、買った頃が思い出され時代を感じて楽しいという。「自分の成長によって選ぶ基準が変わった」と前述の女性は語る。

また、未来に向けて「『駅の反対側の、魚の美味しい店に行く』『台湾に行く』『リビングを模様替えしたい』等、願望を書いた横にチェックボックスも書き、済んだらチェックを入れる」(29歳女性)人も多い。

そのほか、「以前はツイッターで愚痴を吐き出すためだけのアカウントを持っていたけど、身バレしてトラブルになったら面倒だなと思いやめた。今は愚痴ノートを作ってそれに書いている」(23歳女性)という人も。

愚痴といえば、幸せの国フィンランドで発売され、世界30カ国で販売され異例の大ヒットとなった「イライラノート」がある。ネガティブ感情を存分に書き込めるノートで、日本では昨年プレジデント社から発売された。30歳女性は「何にイライラしているか書くことで頭の中が整理され、スッキリする」という。

極めてプライベートなものや自分にとって大切なものはアナログとしてありのままに残しておきたい……。デジタル化がいかに進もうと、気持ちや思いはそうそうデジタル化できるものではないということだろうか。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

[日経MJ2020年3月20日付]

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