春秋

2020/3/15付
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アニメーターや技術者らで構成するクリエーター集団「チームラボ」。彼らが手がけるデジタルアートは、国内外で多くの人に愛されている。展示室の鑑賞者の動きに合わせて床や壁にCGの花が咲きほこりチョウが舞う。子供も大人もじつに楽しげに体を動かすのだ。

▼代表の猪子寿之さんは以前、テクノロジーを使えばオリンピックももっと「参加型」にできると語っていた。聖火ランナーが目の前を通り過ぎるのと同時に、沿道の人々がかざすスマホの画面が光る。選手のプレーをホログラムで町中に映して、一緒に走ったり跳んだりする。応援がより楽しくなるようなアイデアである。

▼このところのコロナウイルスの感染拡大で気分も沈む。そこで猪子さんにならって想像をふくらませてみた。たとえば無観客で開催中のスポーツや文化イベント。これをテレビやネットで見ながら手元のボタンをクリック、連打すると会場に歓声がわいて花火が上がる。そんな仕掛けがあれば画面の向こうと一体になれる。

▼チームラボがめざすのは「他者との関係をポジティブにするアート」だ。デジタル技術がその橋渡しをする。がらんどうの競技場や劇場の映像には心が痛む。たとえイベントが中止されても観客がその場にいなくても、選手や芸術家と観客、応援団をつなぐ手立てはないものか。「技術立国」「ゲーム大国」の出番だろう。

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