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生産性向上「もくもく会」

SmartTimes WAmazing代表取締役社長CEO 加藤史子氏

「もくもく会」というのを聞いたことあるだろうか。まさに黙々と個人作業に没頭するための会ということで、この名前がついたらしい。個人作業なのに、なぜ「会」なのか。

慶応大卒、1998年リクルート入社。ネットの新規事業開発を担当した後「じゃらんリサーチセンター」に異動し、観光による地域活性化事業を展開。2016年WAmazing創業。

それは成果を出したい個人作業を抱えた人たちが数人、カフェなどに集まって、おのおの作業をするからだ。これが驚くほど作業がはかどるという話を聞き、恒常的に平日だけでは終わらない仕事を山と抱えている私も、にわかに興味を持った。

善は急げと2月の休日に「もくもく会」を2回、自ら主催してみた。SNSで友人向けに参加者募集の投稿をすると、直前の呼びかけにもかかわらず、フリーランスや起業家、会社員だが自己研さんをしたいというニーズで数人の応募があった。

いざ、初めての「もくもく会」当日、私が見知ったルール通りに実践開始する。初めの15分程度は近況や、きょう参加した目的などを語る。

その後はすぐ作業に入るが、作業直前に何の作業をどの程度やるのかを参加者全員に簡単に説明する。作業内容についてはお互いに共通点がなくて全く構わない。私が集めた友人たちも、仕事では全く関係していない人たちだ。

そこから30分程度の作業タイムに入る。私のスマートフォンで30分間のタイマーをセットした。やがてタイマーが30分の経過を知らせる。

そこで2分から5分程度かけて作業結果を全員が共有し、5分程度の休憩を取る。このスロットを繰り返すのだ。

両日とも最後は参加者同士が振り返って感想を言い合い、そして解散した。結論からいうと、参加者に共通の感想として、非常に有意義な生産性の高い時間だった。

作業スピードは体感として2倍は出るし、終わらせたい作業に必ず取り掛かって完了することができた。30分は予想以上に速く、あっという間に経過する。このルールは、サイガルニック効果を活用しているのだろう。

サイガルニック効果とは物事を中途半端に終わらせておくことで、集中力を持続させるテクニックのことだ。また作業の直前に仲間に目標を説明するのは、心理学の「一貫性の原理」(言った手前やらざるを得なくなる心理効果)を働かせるためだ。

さて、世間では新型コロナウイルス対策でリモートワークの時間も増えていることだろう。

通勤時間を有効利用できることや周囲の雑音がないなど、リモートならではの利点もある。

一方で、同時に出勤したならば組織に存在したはずの健全なピア・プレッシャー(相互監視による圧力)がリモートワークでは働きづらい。己の生産性を高めたいと考える人は「もくもく会」を試してみてはどうだろうか。

[日経産業新聞2020年3月11日付]

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