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シミュレーターで選手気分 札幌オリンピックミュージアム(札幌市)

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

札幌市郊外にあるスキージャンプの「大倉山ジャンプ競技場」。そこに併設されているのが「札幌オリンピックミュージアム」だ。1972年に札幌で開催された冬季五輪の熱狂ぶりを今に伝え、競技を疑似体験できるシミュレーターが楽しめる。札幌は2030年の冬季五輪の国内候補地に内定している。招致への機運の高まりで、施設は国内外から集客している。

シミュレーターでスキージャンプを疑似体験できる

ミュージアムは00年に開館した。札幌五輪を含む冬季五輪の歴史をパネルなどで紹介する。札幌五輪の展示ではスキージャンプで70メートル級の表彰台を独占した「日の丸飛行隊」が使ったスキー板や、聖火のトーチの実物が見れる。冬季五輪全大会の金メダルが壁一面にずらりと並ぶ光景は圧巻だ。

ミュージアムには年間約12万人が訪問。開館から20年を迎えるのを前に、欧米やアジアなどの訪日客が増えていて、来館者全体の約4割を占める。台湾から家族3人で訪れた男性は「娘が韓国の平昌冬季五輪を見て五輪に興味を持ったので、今回の北海道旅行に合わせて訪れた」と話す。訪日客にとっても札幌を代表する観光スポットになりつつあるようだ。

館内には五輪競技を疑似体験できる設備もあり来館者を飽きさせない。前方に設置された画面に流れる映像を見ながら、ボブスレーやスケートなど5種目を体験できるコーナーがある。

観光客から最も人気を集めるのが、スキージャンプの映像シミュレーターだ。スキーを模した板に足を乗せ、前方の画面に映し出されるジャンプ台の映像を見ながらタイミング良く踏み切る。着地後には飛距離や着地動作の正確さなどが画面上で採点されるため、選手さながらの気分が味わえる。

東京都内の大学に留学中のタイの女性(19)は友人と2人でこのスキージャンプを体験した。「雪のないタイではできないスポーツなのでとても新鮮だった」とうれしそう。複数人が同時に体験できるクロスカントリースキーの施設では、日本人と外国人の来館者が競争し、即席の「国際大会」になることも。

20年夏の東京五輪では札幌でもマラソンや競歩、サッカーといった競技が行われる。ミュージアムの山谷和正・学芸主任は「夏の五輪でも札幌が国内外から注目を集めるのではないか」と来館者の増加に期待を寄せる。

札幌市は30年冬季五輪の国内候補地に内定している。山谷学芸主任は札幌と五輪の歴史を紹介するコーナーで、1972年の札幌五輪開催を示すパネルの先を見つめながら「30年の五輪招致の動きなど、札幌と五輪の関わりは今後も伝えていかなければならない」と話していた。

(札幌支社 塩崎健太郎)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年3月2日付]

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