外食でモバイルオーダー利用急増 マック1カ月で5割増
読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長・日影耕造氏

コラム(ビジネス)
2020/2/19付
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NIKKEI MJ

スマートフォンアプリを使って飲食店などで注文ができるモバイルオーダーが一気にブレークの兆しを見せている。象徴的なのは日本マクドナルドだ。

マクドナルドのモバイルオーダーアプリは急速に利用者を増やしている

マクドナルドのモバイルオーダーアプリは急速に利用者を増やしている

フラー(千葉県柏市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」によると、マクドナルドのモバイルオーダーアプリの1月の所持者数は前月から67%増えて104万人、月間利用者数(MAU)は55%増の54万人と急成長している。

マクドナルドは1月末、一部の店舗に限っていたモバイルオーダー対応店舗を全国に拡大すると発表。現在は約2700店舗で利用できる。注文のために行列に並ぶのは、どんな顧客にとっても店舗での体験価値の低下につながりかねない。事前注文により解消できるのが、メリットとして大きく効いている。

オフラインの現実世界である店舗の前でオンラインにつながるアプリで注文をして、オフラインの窓口で商品を受け取る――。オンラインとオフラインが統合された世界(OMO)が身近に広がる。

2019年6月にモバイルオーダーを始めたスターバックスのアプリは、20年1月の月間利用者数が19年6月と比べて41%増え、138万人に成長した。牛丼チェーンのすき家は19年7月にモバイルオーダーの機能を加えると、アプリの利用が20年1月には16万人となり、19年6月から3.3倍に増えた。

モバイルオーダーは単に顧客の時短や店舗の省力化を図るだけではない。店舗を使うユーザーの注文状況やアプリの利用動向のデータを生かし、ユーザーの志向をとらえた新商品の開発や原材料調達の効率化といったシナジーが期待できる。

今後の課題はユーザー体験の向上だ。いくらモバイルオーダーが便利でも、決済を含めた手続きが煩雑になればユーザーは離脱する。細やかな改善が欠かせないだろう。

モバイルオーダー全体を見渡せば、各社のモバイルオーダーをまとめたプラットフォームとなるアプリの存在が不可欠になるだろう。マクドナルドのように一定の利用が見込めるブランドを除き、個別企業のアプリをインストールしてもらうのはハードルが高いからだ。

実際、取り巻く動きは活発になっている。NTTドコモは19年12月、モバイルオーダーアプリの開発を手がけるショーケースギグ(東京・港)と業務提携した。モバイル決済アプリ「d払い」内のミニアプリとしてモバイルオーダーを取り入れる。LINEはモバイルオーダーのミニアプリ「LINEポケオ」をアプリに取り入れ、牛丼チェーンの松屋などが対応している。楽天も店舗向けにシステムの開発・提供を開始した。

モバイル決済アプリが激烈なシェア獲得競争を繰り広げたように、モバイルオーダーでも猛烈なシェア争いが勃発する可能性がある。動向を注視したい。

[日経MJ2020年2月19日付]

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