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春秋

哺乳類で唯一ウロコを身にまとっている珍獣、センザンコウをこの欄で取り上げたのは7年ほど前である。中国マネーの台頭を背景にアジアとアフリカで密猟や密輸が増えている、と。絶滅を危ぶまれるこの生き物が最近、あらためて中国とのかかわりで話題になった。

▼新型肺炎を媒介した疑いが指摘されたのである。中国の大学の研究者らがセンザンコウから取り出したコロナウイルスの遺伝子配列を調べた結果、新型肺炎のウイルスとよく似ていたという。感染源としては従来、コウモリやタケネズミ、ヘビが候補にあげられてきた。いわば第4の犯人説が浮上、といったところである。

▼もっとも、科学的に確定したわけではない。気になるのはむしろ、センザンコウ犯人説がまことしやかに語られる背景である。ワシントン条約や各国の法律で守られている動物なのに、中国ではかなりの量が薬用や食用として出回っている。感染源となった生き物がなんであれ、つまるところ真犯人はヒトだといえようか。

▼野生生物をめぐる犯罪を追及する非政府組織(NGO)、ワイルドライフ・ジャスティス・コミッションが先日まとめた報告では、センザンコウの密輸はいよいよ深刻である。新型肺炎の猛威は、その一端をあぶり出したようにみえる。きょうは「世界センザンコウデー」。野生生物との向き合い方をあらためて考えたい。

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