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春秋

企業の間で運動部の学生の人気が急上昇したのは大正期とされる。組織のなかで、もまれてきた点が買われたようだ。知らず知らずのうちに人の見方や処世術を培い、卒業するころには思わぬ修養を積んでいる、と企業は評価した。尾崎盛光著「日本就職史」に詳しい。

▼100年ほどたった今も運動部人気は底堅いとみえる。体育会学生に絞って企業との橋渡しをする人材サービス会社もあるほどだ。そのひとつのアスリートプランニング(東京・新宿)によれば、「時代は変わっても会社がチームで目標を追いかける点は変わらない」。会社と運動部には共通するところがあるのだという。

▼デジタル化とグローバル化で個人の創造性や専門性がより問われるようになったが、仲間と協力し合う姿勢がいらなくなるわけではない。陸上部で駅伝メンバーから外れても、サポート役に徹した学生を企業が採りたがるのはうなずける。上意下達が行き過ぎては困るが、集団のなかで4年間過ごした経験は学生の財産だ。

▼だが当の本人は、自らの強みに気づかない場合が多いそうだ。レギュラーを手助けしてきても、「そんな当たり前のことがアピール材料になるんですか、と驚く学生がいる」という。自分を見つめ直せば先輩と同じ会社に自然と入るようなことも減るだろう。就職活動が本格化する。体育会学生も自分の可能性を探る時だ。

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