朝井まかて「秘密の花壇」(33)

朝井まかて「秘密の花壇」
2020/2/13付
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日本経済新聞 夕刊
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一章 神の旅 17

親にもろうたこの躰(からだ)を、何ゆえこうも傷(いた)めつけられねばならぬのだ。殴られ足蹴(あしげ)にされ、しかし周囲は「それが役目であろう」とばかりに冷笑する。

数日前も、幼君は奇妙なことを言い出した。

「お前の尻を検分する」

袴(はかま)を脱げと命じ、否(いな)を唱えれば狂ったように泣きわめいた。手を焼いて、仕方なく下帯一枚になった。

双眸(そうぼう)を爛々(らんらん)と…

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