朝井まかて「秘密の花壇」(32)

朝井まかて「秘密の花壇」
2020/2/12付
情報元
日本経済新聞 夕刊
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その他

一章 神の旅 16

興邦は童小姓として、八十五郎に仕え続けてきた。

八十五郎が育つにつれ止むかと願った狼藉(ろうぜき)、呵(か)責(しゃく)は酷くなるばかりだ。ただ一つの慰めは、書物があることだった。八十五郎は読めず、一顧だにしないばかりか、癇(かん)を起こすとそれらを手当たり次第に掴(つか)んで投げたり破いたりする。興邦はその対応措置として、八十五郎の居室の次之間(つぎのま)に避難させる。

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