プラヴィエクとそのほかの時代 オルガ・トカルチュク著
小さな村に流れる時間の物語
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プラヴィエクは急ぎ足で歩けば、端から端までほんの1時間で着いてしまう小さな村の名前だ。実在しないその村は、トカルチュクの故郷であるシレジア(ポーランド名はシロンスク)同様、様々な境界の交わる地点にある。国道や国境で仕切られているように見えて、じつは川や森や小さな道によって外部とつながる世界だ。
プラヴィエクでは人と動植物が肩を寄せ合い「可能な限りにおいて最善の道」を選びながら暮らしている。大なり...