十二月の十日 ジョージ・ソーンダーズ著 ずれが生み出す笑いと輝き

2020/2/8付
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日本経済新聞 朝刊
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ジョージ・ソーンダーズは、「ずれ」を追求する作家である。

『十二月の十日』に収められた短編は、現代のアメリカを縦横無尽に走る断層のような「ずれ」の数々が、滑稽さと哀感を滲(にじ)ませつつ刻み込まれている。

まず物語を彩るのは、登場人物たちの自己評価と、読者に見える姿とのずれである。王である自分を想像する、実は前科者の男。哀れみの拍手が大喝采に聞こえる中年男性。主観と客観の圧倒的なギャップが埋まら…

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