強い組織とコーチング
SmartTimes C Channel代表取締役 森川亮氏

2020/2/7付
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今回はマネジメントとリーダーシップ、コーチングについて書いてみたい。単純に考えるとマネジメントとは戦略を定め、目標を決め、やることを決め、進捗を確認する。そして問題があれば修正し、改めて前に進むということだ。想定と異なる結果が出た場合に、どれだけ早く修正し前に進めるかが大事だと思う。

1989年筑波大卒。ソニーなどを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE=ライン)入社、07年社長。15年3月退任、4月C Channelを設立し、代表取締役に就任。

1989年筑波大卒。ソニーなどを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE=ライン)入社、07年社長。15年3月退任、4月C Channelを設立し、代表取締役に就任。

昔は戦略が大事といわれたが、最近は実行力が大事といわれる。変化が早い世の中なので、やってみないとわからないことも多い。変化への対応力が大事だから、やはり実行が一番大事で、難しいと思う。

人はロジックで動かない。特にベンチャーでは組織ができあがっていないのでプロジェクトの管理やチェック、命令だけでは人がついて来ない場合が多い。マネジャーが前線でリーダーシップを発揮することが求められる場面がある。

一方で、リーダーが前面に立ち続けると部下が育たない。

どうやってリードしながら部下を育て、結果につなげるか。これは組織文化や実際の部下の考え方やスキルで異なる。

サービス業ではスキル教育や人間関係の改善施策が大事といわれる。

これに対しコンサルティングやIT業界などプロフェッショナル人材の多い組織では、新しいことに挑戦し成長できるかが大事といわれる。

これが正しいという答えはなく、常に環境やその変化に注目し行動を変える必要がある。変化の速い業界ほどマネジメントは大変だ。スキルが低い人材でも一定の結果が出せるような業務やビジネスモデルがあることが理想。最近は個人に寄り添うようなコーチング能力が求められている。しかしコーチングがうまく回っている組織は、日本では少ないのではないか。

特に大企業では年功序列がまだまだ多いので上司が命令し、部下が実行というスタイルが多いように思う。これに対してIT業界やベンチャー系の企業では社員が100人を超えるあたりから、トップダウンのマネジメントからコーチング的スタイルに移行する会社が多いのではないか。

コーチングについて私が思う大事なことは、社員の能力を引き出すことだ。そのためには信頼関係が不可欠で、信頼関係をつくるには時間をかけることが必要となる。

信頼関係がないとコミュニケーションがうまくいかず、実行に時間がかかったり、誤った考え方が伝わって失敗の確率が高まったりすることがある。

組織内で、どのようにコミュニティーをつくるのか。そして社員の能力を引き出すためにどんな問いを準備するのか。「コーチングは甘い」という人もいるが、ある意味で問いは厳しいものかもしれない。それに対して一緒に向きあい、答えを出して行動に移せる組織は強いと思う。

[日経産業新聞2020年2月7日付]

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