SDGs実践する企業
SmartTimes 社会起業大学理事長 田中勇一氏

2020/1/27付
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「SDGsの実践は公益資本主義の実現に通じる」。オフィスまるもの諸江秀次さんは、こう語る。リサーチ会社やエンターテインメント会社でマーケティングと広報を学び、2011年にコンサルティング会社を興した。その後はクライアントの社会的な課題解決を中心にコミュニケーション分野で支援している。

1992年住友銀行(現三井住友銀行)入社。新銀行東京とイオン銀行設立に参画後、キャリア支援のリソウルを設立。2010年に社会起業大学を設立。公益資本主義推進協議会副会長。

1992年住友銀行(現三井住友銀行)入社。新銀行東京とイオン銀行設立に参画後、キャリア支援のリソウルを設立。2010年に社会起業大学を設立。公益資本主義推進協議会副会長。

フォーバル会長の大久保秀夫氏が14年に設立し、私が副会長を務める一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)の広報も担う。単なるPRにとどまらず、活動内容にも具体的な提言をしている。その一つが、加盟企業の事業活動をSDGsの実践と結びつけようとする取り組みだ。

SDGsは「持続可能な開発目標」と訳され、国連サミットが15年に採択した世界の共通目標。国連は推進役として企業に大きな期待を寄せている。メディアなどでも広く紹介されており、19年12月には日本経済新聞が「SDGs経営調査」を発表した。

企業のSDGsへの取り組みを調べたものだが、対象は全国の上場企業と従業員100人以上の非上場企業。ESGに続く投資目的の調査でもあるためやむを得ないが、これでは日本で99.7%を占める中小企業の実態がほとんどわからない。諸江さんは調査が発表される前から、PICC加盟企業のSDGs実践度に関心を持っていた。

諸江さんの提言を受けてPICC事務局で検討した結果、会員の活動状況を把握する調査シートに19年10月からSDGs項目を盛り込んだ。会員が17の目標にどれだけコミットしているのか確認するためだ。

公益資本主義は株主のみならず顧客・従業員・取引先・地域社会などすべてのステークホルダーに利益を還元し、中長期的な視点で開発投資を行うことで持続的な成長を目指し、地球全体の利益「地球益」に貢献するという考え方だ。SDGsとの親和性は高いはずだから、一般の中小企業よりスコアは高いだろう。

集計結果をみると、全ての目標と何らかの形で会員企業が関わっていた。最も高かったのは「働きがいも経済成長も」次いで「質の高い教育をみんなに」など「人」を尊重する傾向が強かった。今後は調査を継続して情報共有を深め、会員およびPICCの実践目標の一つとしてSDGsを活用していく予定だ。

企業の社会的責任(CSR)を含むこれまでの社会貢献活動に比べ、SDGsは多くの企業に浸透していくだろう。SDGsの達成がビジネスを許容しているからだ。企業は自らの強みや本業を通してSDGsを実践し、その枠組みで自社の事業の見直しや存在意義の再定義に活用できるのだ。これは社会課題をビジネスで解決しようとしている社会起業家の活動にもシンクロしている。社会起業家精神あふれる諸江さんの活躍にエールを送りたい。

[日経産業新聞2020年1月27日付]

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