春秋

2020/1/22付
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この時期、人混みでマスクをするのはマナーになった感がある。が、接客担当の従業員にマスクの着用を原則として禁じる小売業もあるという。顔の半分が隠れてしまうため、客との円滑なコミュニケーションを妨げる恐れがあるからだ。この国でお客様は神様なのだ。

▼インフルエンザの季節である。加えて心配なニュースが飛び込んできた。中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大だ。中国の衛生当局の幹部は、「人から人に感染していることは間違いない」と公式に認めた。厚生労働省のホームページは、「明らかな証拠はない」と記載していたから驚いた方もおられよう。

▼中国で春節の休暇が24日から始まる。どれほどの観光客が大陸から訪日するのか。政府は入国時の検疫での水際対策を強化するなど万全を期すという。「ヒト―ヒト感染」は、家族間などの濃厚接触の場合に限られる。過剰に恐れる必要はない。そんな専門家の見解も聞くが、感染防止の自衛策も必要かと身構えてしまう。

▼きのうの東京株式市場では、抗ウイルス加工のマスクを製造する銘柄の商いが膨らんだ。需要拡大を当て込んだようだ。小売業にとって中国人のインバウンド消費は大歓迎だ。が、接客する身には心配も募るだろう。「純白のマスクを楯(たて)として会へり」。歳時記にある野見山ひふみの句が切実に響く、令和の寒の内である。

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