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投資アプリ、手数料ゼロ&ラップで説明 若い利用者呼ぶ

奔流eビジネス (スクラムベンチャーズ マーケティングVP 三浦茜氏)

NIKKEI MJ

よく行く人気のレストランが改装工事を経てさらに人気店になっていた。この会社の株を買いたいと思い、その場でスマートフォンのアプリから5株ほど買い注文を入れた。一緒に食事していた友人も6人のうち4人が買い注文を入れた。使っているアプリは全員、Robinhood(ロビンフッド)。欲しいと思ってから数分、いや数秒で手続きが完了した。

ロビンフッドは株式売買の手続きを簡単にした

ロビンフッドは手数料無料の株取引アプリの先駆けで、ユーザーは1千万人を超えている。ユーザーの年齢の中央値は30歳で、半数が初めて投資するという。新しい世代向けの株取引アプリであり、投資のハードルをあらゆる方法で下げている。

まず、取引のプロセスは驚くほど簡単だ。個別の銘柄のページに行き、「Trade」ボタンから「Sell」または「Buy」をタップする。株数を入力して、確認画面を経て購入または売却を完了させる。その間、ほんの5タップほど。取引時間内ならほぼ瞬時に取引が終わる。時間外の場合は市場が開いたところで取引する。

一部の利用者に限ってだが、1株未満の取引も始めた。0.000001株から注文でき、金額は1セント単位で四捨五入される。金額で注文する場合は1ドルから。もちろん手数料はかからない。

預けた資金には年1.8%の利息がつく

例えばアマゾンの株価は足元で1株1900ドル(約20万円)前後と、初めて株取引をする層には安くない金額だ。新たな機能により、アマゾンの株を100ドル分だけ買えるようになった。

このアプリ、筆者は2016年から使っている。最初は1千ドルぐらいでお試しと思っていたが、今は結構な金額を預けている。手続きが簡単なので、どんどん投資したくなるのだ。昨年1年間の上昇率は23%。まずまずの運用成績ではないだろうか。

毎月給料日後に自動的に一定額を振り込む設定にしている。というのも、預けた金額に年利1.8%の利息が付くサービスを80万人に提供しているからだ。資金を預けておくだけでもプラスになる。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

とはいえ手数料無料のサービスで、どのようにしてもうけているのだろうか。毎月5ドル払う「Gold」というサービスがあり、より詳しいリサーチや分析データにアクセスできたり、ロビンフッドから資金を借りられたりする。

ロビンフッドはメディア作りにも乗り出しており、ポッドキャスト番組を昨年買収した。毎日15分で3つのニュースを解説し、筆者も通勤時に毎日聞いている。新世代向けというだけあり、冒頭に流れる音楽が投資の免責事項を伝えるラップになっている。最初は驚いたが、心地よいリズムで最近は口ずさむようになっている。

ロビンフッドは昔ながらの金融業界で手数料無料という型破りなサービスをスタートした。新たな利用者層を取り込み、市場を広げた。他社も手数料無料を打ち出しはじめている。今年は新規株式公開が噂されており、スタートアップ企業から大手企業に、そして追う側から追われる側となる。いちユーザーとして新たな展開を期待している。

[日経MJ2020年1月17日付]

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