春秋

春秋
2020/1/14付
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オリオン座は冬を代表する風物詩のひとつだろう。寒い夜に仕事を終えて帰宅する途中、空を仰げばまずはこの星座が目につく。ほかの星座はとんと判別できないが、これだけはすぐ分かる。日本で「鼓星」と呼ばれる由来となったあの形は、それほどに印象的である。

▼そのオリオン座がこの冬、異変に見舞われている。オリオンの右肩のあたりに位置する一等星、ベテルギウスがいつになく暗いのである。米国の天文学者によれば、2019年10月から2カ月ほどの短い間に、明るさはほとんど半分になったという。100年ほど前に観測を始めて以来もっとも暗い、とも伝えられている。

▼超新星爆発を起こす前触れでは――。そんな物騒な声が聞こえてくる。気になって事典を開いてみると、ベテルギウスの推定年齢は1000万歳くらい。およそ46億歳とされる太陽に比べると、ずいぶん若い。ところが太陽の20倍という巨大な質量のため消耗が激しく、いつ爆発してもおかしくない段階にあるのだそうだ。

▼ちなみに地球からの距離は600光年ほど。銀河系の直径が大体10万光年なので天文学的なスケールでは近所である。もし爆発すれば月に匹敵する明るさになるらしい。1054年に世界の各地で人々の目を引いた超新星爆発より、ずっと派手な天体ショーになるのかも……。夜空を見上げるのが、いよいよ楽しみである。

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