ともしび幻想 和の風情 由志園(松江市・大根島)
おもてなし 魅せどころ

コラム(ビジネス)
2020/1/13付
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NIKKEI MJ

松江市の東部、中海に浮かぶ大根島(だいこんしま)。江戸時代からボタンと高麗ニンジンの栽培が盛んで、島の主要産業となっている。島内にある日本庭園「由志(ゆうし)園」はそれらを展示する全国有数の施設で、国内外から多くの観光客を集める。2014年からは毎冬にイルミネーションイベント(20年は1月14日まで)を開き、閑散期にあたる冬季でもにぎわいを見せている。

イルミ「出雲富士」は鳥取県の大山をイメージ

イルミ「出雲富士」は鳥取県の大山をイメージ

イルミネーションは午後5時すぎの日没とともに始まり、8時ごろまで続く。「黄金の島ジパング」をテーマに、今シーズンは過去最多の130万個の発光ダイオード(LED)電球を取り付けた。電球が照らす幻想的な和の世界が、訪れた人を魅了している。

一番の見どころは「出雲富士」と名付けたイルミネーションだ。出雲富士は島根県東部では鳥取県の大山を指す。LED電球でつないだ高さ10メートルの「山肌」が七色に変化する。今シーズンは出雲富士を眺めるための展望台も設けた。

そのほか黄金色に輝く「稲穂イルミの棚田」、数百の光の柱が光り輝く「デジタル竹林」など多彩な演出を施した。デザイン・広報担当係長の景山誠司氏によると、多い日には午後午後5時半以降、3000人近い来園者があるという。広島県から来た20代の女性は「初来園だが、光の世界がとても幻想的で、すばらしい」と興奮気味だった。

由志園は1975年に開園。創始者の門脇栄氏が大根島の観光振興の思いを込め、5年をかけて造成した。山陽方面からの高速道路開通などで順調に入園者数を増やし、2000年前後には約30万人に達した。ところが、レジャーの多様化により徐々に減り、12年度(3月~翌年2月)には18万人台にまで落ち込んだ。

危機感を持った同園は華道家の假屋崎省吾さんとコラボした展示会や、夜のイルミネーションなど、庭園を活用した若者受けするイベントを相次ぎ企画。13年度から入園者は増え始め、18年度は前年度比11%増の30万9000人となった。

インバウンド(訪日外国人)の入園も好調だ。18年は約3万5000人で、15年比約2倍になった。19年は日韓関係悪化のため韓国人が減ったが、11月までに17年並みの約2万6000人を集めた。門脇栄一専務・総支配人は「和の文化を感じられる施設として、国内外に魅力を発信していきたい」と話す。

(松江支局長 西村正巳)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年1月13日付]

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