金属削る文鎮作り体験 ヤマザキマザック工作機械博物館(岐阜県美濃加茂市)
おもてなし 魅せどころ

2020/1/6付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

中部地方で自動車をはじめとしたものづくり産業が発展したのは「マザーマシン(母なる機械)」の貢献が大きい。金属を切削して部品をつくる工作機械のことだ。2019年11月、岐阜県美濃加茂市に世界でも珍しい工作機械に特化した博物館が開業した。世界有数の工作機械メーカー、ヤマザキマザックが立ち上げ、ものづくりの関心を高めるため国内外から歴史ある機械を集めた。

人力から蒸気機関、電気モーターなどと工作機械が進化していった歴史が学べる

人力から蒸気機関、電気モーターなどと工作機械が進化していった歴史が学べる

地下2階には産業革命から現代に至るまでの本物の動く工作機械など、約200点が展示されている。工作機械には(1)丸く削る(2)平たく削る(3)穴を開ける(4)ギザギザのらせん部分をつくるの4つの加工法がある。

展示物の付近にはモニターが設置してある。足踏みで工作機械を動かしネジを削る様子など、4つの加工法を展示と合わせて視聴できる。

人力から蒸気機関、電気モーターなどと工作機械が進化していった過程も、動画や展示物からわかる仕組みになっている。工作機械をイメージしやすいように、本物の工業製品である蒸気機関車やT型フォード、ヘリコプター、飛行機も展示されている。蒸気機関車の部品が工作機械でつくられ、部品が組み立てられ、動くという一連の流れは拡張現実(AR)を用いたモニターで見ることができる。

体験コーナーでは文鎮を製作できる。ヤスリや超硬の刃がついた棒を使って金属を削っていく。金属の加工には機械だけでなく、職人の力も必要となる。1~2ミクロン単位で金属の表面を丁寧に仕上げるという職人技を味わうことができ、今後は小学生の校外学習などにも広げられるよう検討している。

博物館には加工工場が併設されており、地下1階にあがると現場が見学できる。あらゆるものがネットにつながるIoTや自動化ロボットなどが備わっている。

ただ見学するだけでなく、機械の稼働状況などのデータを収集し、生産性向上につなげるという取り組みも紹介されている。

博物館はヤマザキマザックの工場を改修してつくった。地下にあるので温度変化が小さく、地上につくるのに比べて、空調経費を節約できる。高田芳治副館長は「小学生でも理解できるようになっており、スマートフォンなど自分が使っているものができるまでの過程を知ってほしい」と話す。

(名古屋支社 細田琢朗)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年1月6日付]

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]