冬キャン ゆる~くおしゃれに あえて「不自由」癒しの源泉
ミレニアルスタイル

2019/12/20付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

12月に入ったこの時期、何をして楽しむのかを20代女性に尋ねると、「冬キャンに行きたい!」と意外な答えが返ってきた。これといってアウトドア系には見えない女性だが、「キャンプにハマっている男友達が増えていて、すっごくおしゃれで楽しそう。誘って欲しいレジャーのナンバーワン!」という。

服装や料理でこだわりを追求できるのが魅力のひとつだ

服装や料理でこだわりを追求できるのが魅力のひとつだ

冬キャンの楽しみは、たき火と星空とファッションらしい。夏と比べてたき火が堪能できるし、星がよく見える。加えて虫が出ないのもポイントが高い。

何より男性がハマる最大の理由が、キャンプならではのおしゃれを楽しめるから。防風、防寒などの機能を備えたパタゴニアのフリースジャケットや、保温性の高いダントンのダウンジャケットなどが特に人気で、カジュアルなアウトドアファッションに身を包む。

おしゃれなのは服装だけではない。燻(くん)製機を使って仕上げたスモークチーズや豆からひいたコーヒー、カラフルな野菜のローストや豪快に焼いた肉を木製のまな板に並べたバーベキュー、タイの塩釜焼きなど、料理にもセンスが光る。

テントやイスなどのグッズにも統一感が。こだわり抜いたおしゃれな空間をあますところなく写真や動画に収め、次々とインスタにあげていく。

これといった趣味のなかった男性がハマるケースが多く、「こだわりを発信できる」(24歳男性)「グッズをそろえてどんどんグレードアップできる」(26歳男性)などの理由で病みつきになっていくらしい。「自然に友達が増える」(29歳男性)のも魅力の一つ。

2、3人でキャンプに行ったのに、キャンプ場で「そのイスいいですね」などと周辺のグループと会話が盛り上がり、帰ってくるときは15人になっていた、などのエピソードも聞いた。

日本オートキャンプ協会の「オートキャンプ白書2019」によると、2018年の参加人口は前年比1.2%増の850万人で、6年連続で前年比プラスとなった。特に12月~3月の伸びが目立ち、冬用の高機能シュラフの売り上げが急増する現象も起きているという。

冬キャンに並んで増えているのが、「ソロキャン」と呼ばれる1人のキャンプだ。「だらだらと自然を味わえる自由さ」(26歳男性)という醍醐味があるという。お笑い芸人のヒロシさんによるユーチューブの動画「ヒロシキャンプ」シリーズも人気を集めており、300万回近く再生されているものもある。

静かに淡々とソロキャンプをする様子にパチパチというたき火の音や川の音が流れる。こんがりと焼かれたサンマにジューッとしょうゆをかけるといった料理シーンに「おいしそう」というコメントが付いている。

他に、音楽フェスでもキャンプが主体になった「GO OUT CAMP」なども盛り上がっており、生音を聴きながらのんびりとぜいたくキャンプをするのは「究極のチル(くつろぎ)」だという。

様々な情報があふれ、どんなものでも簡単に宅配されるようになった時代を生きるミレニアルズ。その分、自然の中で不自由さを感じたい、癒やされたいというムードが高まっているのではないか。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

[日経MJ2019年12月20日付]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]