春秋

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2019/12/2付
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球界のご意見番、張本勲さんとダルビッシュ有投手の舌戦をご記憶の方もおられよう。今年夏の甲子園の岩手県大会決勝。大船渡高校の監督は、最速163キロの佐々木朗希投手の連投を回避した。「絶対に投げさせるべきだ」「いや、若者の未来を守る勇気ある行動だ」

▼日本高校野球連盟は、大会期間中の1週間の1人の投手の球数を「500球以内」に制限する方針を決めた。昨年夏の甲子園で準優勝した秋田・金足農高の吉田輝星投手(現日本ハム)は、決勝までの5日間で570球を投げた。新しい規定なら、ふるさとの期待を背負って連投するエースの雄姿は見られなくなりそうだ。

▼野球好きのお父さんたちも、赤ちょうちんで生ビールをあおりながら、新ルールの是非について論争しているのでは? と思っていたら国会でも早速、取り上げられた。衆院文部科学委員会で、「腕がちぎれても最後まで頑張りたい選手も中にはいる」「大会期間を延ばすべく、阪神球団と交渉を」などと語るセンセイも。

▼球児の現状に迫るルポ「投げない怪物」(柳川悠二)によると、高野連幹部は金足農高について、「高校野球のお手本」と称賛していた。が、1年でチームづくりへの評価は一転し、批判の対象になった。教育の一環という建前。国民的人気を誇る興行。プロへの登竜門。様々な打算や思惑が交錯する高校野球改革である。

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