神秘の森 AIもご案内 気多大社(石川県羽咋市)
おもてなし 魅せどころ

コラム(ビジネス)
北陸
2019/12/2付
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NIKKEI MJ

北陸新幹線の金沢開業後、石川県能登半島にある気多大社(同県羽咋市)が人気だ。神社の背後に広がる巨大な原生林は人の立ち入りを禁じる「入らずの森」と呼ばれ、厳かな雰囲気が参拝客を魅了する。訪日外国人(インバウンド)の質問に人工知能(AI)が答える「AIコンシェルジュ」など先端技術も積極的に取り入れている。

背後に広がる「入らずの森」には神の気が集まるとされる(石川県羽咋市)

背後に広がる「入らずの森」には神の気が集まるとされる(石川県羽咋市)

気多大社は金沢から車で北へ1時間。神社の奥に原生林が生い茂り、神秘的な雰囲気が漂う。祭られているのは縁結びの神様とされている大国主神(おおくにぬしのかみ)。森の奥には八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)とその妻が祭られている。11月中旬に夫婦で気多大社を参拝した64歳の男性は、埼玉県から6年ぶりに再訪。「この荘厳さが忘れられなかった」と語る。

森の面積は約3万3000平方メートルで樹齢300~500年の広葉樹が自生している。古くから信仰の対象となっており、人の立ち入りを禁じてきた。三井孝秀宮司は「木が折れるなど森の環境が変わってきた。皆さんに見てもらい自然の大切さを感じてほしい」と語る。

12月から1カ月間、初めて原生林を一般に公開している。天皇陛下の即位記念として拝殿の中で「入らずの森気の葉祭」を行った後、事前に申し込んだ客が原生林の中で参拝する。

PRには先端技術を駆使する。ホームページでは英語や韓国語など4カ国語に対応するAIコンシェルジュがおもてなし。例えばサイト内で「御朱印」をローマ字で「Goshuin」と打ち込むと「受付で300円を支払うと御朱印を購入できる」と英語で表示される。三井宮司は「神社仏閣でのAI導入は初めて。日本語にハードルの高さを感じる欧米人にも楽しんでもらえれば」と話す。

動画共有サイトの「ユーチューブ」には三井宮司が撮影したPR動画も盛りだくさんだ。ドローンを使って上空から気多大社と原生林を撮影した動画のほか、プロジェクションマッピングを使って神社を彩った動画もある。

三井宮司が外国人誘客に力を入れ始めたのは2011年の東日本大震災がきっかけだ。「外国から震災があった日本はどう見られているのか」と思い、まずはアジア諸国を訪れて神社をPRした。近年は欧米人の集客にも力を入れている。「外国人が多く訪れて話題になると日本国内でも注目が高まる」(三井宮司)。地元住民や国内の観光客の参拝も増やしていく考えだ。

(金沢支局 毛芝雄己)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2019年12月2日付]

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