春秋

春秋
2019/11/28付
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「火星表面の水はなぜ失われたか」「ドラえもんに登場するタケコプターは実現可能か」。21年前、千葉大は高校2年生らを対象に戦後初の飛び入学制度を導入した。入学試験の小論文ではこんなテーマが出題されている。なるほど自由な発想や思考力が試されそうだ。

▼難関を突破した「17歳大学生」の授業風景を当時、取材させてもらった。夕方から夜まで延々と黒板に振り子の絵を描き、数式を解いていく。教官が飛ばした叱咤(しった)は、「ニュートンを本当にわかっているのか!」である。文系の身には最後までちんぷんかんぷんだったが、生き生きとした学生の顔つきが印象に残っている。

▼あどけない容貌と高度な学問。そのギャップは千葉大の比ではなかろう。ベルギー生まれのローラン・シモンズ君(9)が来月、世界最年少で大学を卒業する見込みだという。8歳でオランダの名門大に入り、3年の課程を9カ月でほぼ終えた。祖父母が心臓の病気で苦しんでいて、将来は人工臓器の開発を目指すそうだ。

▼千葉大で飛び入学を導入した当時の学長、丸山工作さんは「エリート教育は不平等などと、大学の内外から強い反発を受けた」と話していた。国や時代により教育制度には様々な考え方があろう。ただ、学びを求める子どもたちの気持ちには応えてあげたい。本紙に載った「犬を膝に抱く9歳児」の写真を見てそう思った。

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